まだティッシュ箱の切り口も新しい、何の手も加えられていない家。
この家が匠の技によって見事に生まれ変わった。
ただ暗かっただけの空間に、大胆な大窓を開けた。2カ所の大きな窓からは太陽が差し込み、光を存分に浴びることができる。
また入り口ももう一つ取り付けられた。万が一の災害を見越して取り付けられた出入り口だ。この配慮が住民に安心を与えてくれる。
匠はたった一週間でこの仕事をやり遂げたのである。
作業に取りかかっている匠。真剣な表情である。
匠はこの作業を道具を使わず自前の歯のみで行った。「歯の魔術師」と呼ばれる所以である。
匠の見事な建築は、飼い主の
「あーボロボロになったな。取っ替えるか」の一言でゴミ箱行きとなり、また新たな挑戦が始まる…
せっかくの芸術をポイされて、ムスっとしている匠であった。